2013/04/29

マイナスドライバーの選定

MOULTON STANDARD をメンテするのにはマイナスドライバーが必須ですが、なにを選びましょう。

私の工具箱にはPBの貫通マイナスドライバーが一本入っています。

PB8102D/3 : 0.8 x 5.5 x 80

精度や強度はもとより、グリップ、バランスとも一級品。チップの形状もトルクの伝達を向上させるためにテーパーさせておらず、皿ネジのドライブ時にネジ穴のある材料に干渉しないように角に絶妙なRがつけてあります。

これまで、このドライバーになんの文句もなかったので、F型のメンテナンスもPBでいってみましょうという、単純な結論で申し訳ありません。私の用途では貫通の必要があまりなかったので否貫通のスイスグリップでそろえます。
しかし、PBのマイナスドライバーは#00~#7までの9サイズをラインナップ。一気に全部そろえることのできる方は問題ありませんが、使わないサイズへの出費を抑えたいのが人情。F型メンテナンスにおいてどこからどこまでがスウィートスポットなのでしょうか。

PB の マイナスドライバー、スイスグリップのサイズは次の内容。
  • 呼びサイズ(対応ネジ): 厚さ x 幅 x 軸長(軸径)mm
  • #00(M1.2): 0.3 x 2 x 70(2.5)mm
  • #0(M1.6): 0.4 x 2.5 x 80(3)mm
  • #1(M2): 0.5 x 3.5 x 90(3.5)mm
  • #2(M2.5): 0.6 x 4 x 100(4)mm
  • #3(M3): 0.8 x 5.5 x 120(5)mm
  • #4(M3.5): 1 x 6.5 x 140(6)mm
  • #5(M4~5): 1.2 x 8 x 160(7)mm
  • #6(M6): 1.6 x 10 x 180(8)mm
  • #7(M8): 2 x 13 x 200(9)mm

一方、私のMOULTON STANDARD '65に使われているネジのサイズを測ってみると次の内容。もちろんシャビーなネジをノギスで実測するわけですから誤差はおおいにあります。
  • ネジの場所: スリットの幅 x ネジ頭の直径mm ナットの有無
  • 電気コードチューブの固定バンド: 0.7 x 6.3mm 有
  • ベル: 1 x 6.6mm 無
  • マッドガード: 1 x 8mm 無
  • ブレーキレバー: 1.1 x 7.1mm 無
  • キャリアーステー下側基部: 1.1 x 9mm 無
  • キャリアーステー上側: 1.25 x 8mm 有
  • シフター: 1.3 x 7.9mm 無
  • シフトケーブル固定バンド: 1.4 x 8mm 有
  • ランプブラケット: 1.5 x 14.3mm 有
  • ブレーキキャリパーアクスル: 1.65 x 12.7mm 有

スリットの幅は0.7~1.65mmなので必要なサイズは#2~#6。しかし、私は工具箱の中に#1番が無いのも寂しいので#1~#6にしておきます。#7は、、、値段が張るし、でかいし、一度も使わないと思うのでパスします。

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Q. F型モールトンのメンテナンスに適したマイナスドライバーは?
A. マイナスドライバーは信頼のおけるブランドの精度が高いものを選びましょう。サイズはチップの厚さで0.6~1.6mmをそろえておけば、ほとんどのネジに最適なドライバーを使うことができます。スイスの工具ブランド、PBであれば#2~#6が該当します。(2013/04/29調べ)

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2013/04/28

マイナスネジ

私が不器用なのか、マイナスネジは必ずといっていいほどカジルしナメルので、メンテナンスを考えると精神衛生上好ましくなく、見た目は美しいと思うけれどどちらかといえばキライ。

1965年ではあたりまえのことなんだろうけど、MOULTON STANDARD に使われているネジは100%マイナスネジでした。オリジナルの状態で現役使用している70年後半のツノダは一部マイナスネジが残るものの、ほとんどはプラスネジに移行されてるので、F型モールトンの時代がマイナスネジの最終盛期と一致すると思えます。とすれば、マイナスネジをキライなんぞとは言っておられず、そのシンプルさを尊重して、最大限の慎重さでドライブしなければならないでしょう。

しかし、そのマイナス形状にとどまらず、風化という言葉が相応しい錆びが盛大に発生していることが問題を大きくしています。

フロントブレーキアクスル

まだまだ元気そうに見えます。
ランプブラケット角度固定ネジ

かなりもろそうですがなんとかなりそうにも思えます。
リアキャリアステー基部固定ネジ

金属というか泥とか土に見えます。とても生かせる自信がありません。

 
私は、ちゃんとしたマイナスドライバーはPBの3番しか持っていません。これまでネジを回すためというよりは、何かをこじ開けたり、こそいだりする用途以外に使うこともなく、なんの不自由もありませんでした。が、いよいよ「回す」という本領発揮となると、3番でフィットしそうなネジは一部のみ。いくつかの番手をそろえなければならないでしょう。

しかし、いかに高精度なドライバーをもってしても上記のようなネジを回すのは難しそうに思えます。ブラス製ワイヤーブラシ、CRC556、場合によってはヤスリがけで前準備をして丁重に回して差し上げるつもりではありますが、それでも崩れ落ちたらあきらめるしかありませんね。

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Q. 現在、マイナスネジは手に入るのか?
A. ホームセンターで適当なサイズを見つけることが難しいマイナスネジも、ネジの総合通販サイト、ネジクルで自転車で使うサイズの小皿、小丸などのマイナスネジが販売されています。生地やメッキの表面処理も選ぶことができます。ウィットとも表現されているインチネジは、メートルネジに比べてラインナップが少なく、残念ながら小皿はみつかりませんでした。マイナスネジの場合、基本的にサイズごとに定められたロット単位の販売となり、、自転車で使うサイズの価格は2,000~5,000円といったところでしょうか。(2013/04/29調べ)

ネジクル http://tsurugacorp.co.jp/shopping/

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2013/04/26

F型モールトン、ことはじめ

MOULTON STANDARD '65
2011年にMOULTONのスペースフレームを手にした時から、私の関心は徐々にF型フレームへと傾倒。かといって、F型MOULTONの世界は深すぎて知ることすら阻むような感覚があったため、入手困難な教科書を手に入れることもなく無知なまま時間を費やしてきました。

先日MOULTONの写真集を見ている時。以前はスペースフレームしか興味がなかった私が、繊細で緊張感にあふれるジオメトリーをまとうF型MOULTONのページだけを、繰り返しめくっていることにふと気が付き、その瞬間、何はともあれ基礎になる一台をどうしても手にしたいという思いが膨張。ちょうどめぐり合わせた、とある一台と生活を共にすることになりました。

私のもとにやってきた穏やかな青のMOULTON STANDARD。今は、それが1965年製だということしかわかっていません。F型フレームのMOULTONは量産車にあっても仕様が短期間で変更されているようで、また、製造から半世紀もの間には修理や改造を繰り返すでしょうし、マニアでなければモデルを特定するのが難しいのです。

傷みがひどく普通に乗れるようになるまで、多くの壁が待ち受けていると容易に想像されます。はじめは分解清掃が主な内容になるかと思いますが、整備記録をかねてブログをつづります。