2013/05/27

フロントフォーク、パーツ構成

MOULTON STANDARD '65 Small Parts of Front Fork
1. Screw, Pozidriv PZ2 (3g)

2. Serrated Washer

3. Rebound Spring (13g)

4. Rebound Stop (12g)

5. Front Suspension, Mtal Spring & Rubber Spring (106g)

6. Spring Abtment (10g)

7. Front Fork & Gide Tube (661g)

8. Distance Piece (1g)

9. Guide Tube Bearing (3g)

10. Serrated Bottom Bearing (3g)

11. Bellows (29g)

12. Bellows Bracket (9g)

13. Bottom Bearing Retainer (40g)

14. Steering Column w/Lower-Half Bottom Head Race (489g)
リバウンドストップ固定用のネジは、 フィリップスも存在するようですが、私のモールトンスタンダード'65にはポジドライブが使われていました。バイシクルクラブ(2013/7月号)の記事でも、フロントフォーク分解の鬼門とのことで、ポジドライブの採用はありがたいです。

コラムのトップからネジの頭まで、約225mmの深さがありますので、長いドライバーが必要です。私はPB 8192: PZ2 x 300を使用しました。締める方向にナメた形跡がありますが、私じゃありません(コレホント)。

クリーニング中、カンニングペーパーには描かれていなかったロッキングワッシャーがステアリングコラムからカランと出てきて、危うく紛失するところでした。

リバウンドストップの頭はフロントサスペンションにぴったりと収まり、フランジがスチールスプリングに、ヘッドがラバースプリングに接する設計。

すり割りの幅は1.6mmでPB 8100/6 : 1.6 x 10 x 180で対応できます。
根元にはピンが打たれていて、ステアリングコラム内にあるリバウンドスプリングガイドチューブの切り欠きと勘合して空転を防ぎます。

カンニングペーパーでは、ステアリングコラムはブラックボックスになっていますが、あるWEBサイトに、リバウンドストップがネジ止めされていることを知らずにドリリングで分解した情報がありました。その写真で内部を垣間見ることができました。ランカスター大学で講師を務めるという管理人は破壊してしまったリバウンドスプリングガイドチューブを、新たに設計して対応しています。恐れ入りました。

David Lucy's Website > HOBBIES > Bicycles
http://www.maths.lancs.ac.uk/~lucy/hobbies/bicycles/bicycles.html

また、その写真には、スプリングアバトメントを固定するためのフロントフォークブレーキブッシングが写っています。私のスタンダードと同じくシリーズ1のフォークですが、クラウンの穴が見るからに大きい。なので、私のフォークにフロントフォークブレーキブッシングが無いのは、そうゆう仕様だということがわかりました。

樹脂製のガイドチューブベアリングを固定するスナップリングは、切れ目に隙間が無いため取っ掛かりにややてこずりますが、外れないわけではありません。私はPB 8100/1-90 : 0.5 x 3.5とPB 8100/2-100 : 0.6 x 4.0で作業しました。

内径16mm / 外径19.4mm / 厚さ1mm

穴つきのスナップリングで置換したほうが作業性が向上しますが、そんなに度々いじる場所でもないのでオリジナルがベストでしょう。もし交換するならステアリングコラムの内部を傷つけないよう、外径23mm以内に収まるサイズを選ぶとよいと思います。

セレーテッドボトムベアリングも樹脂製。厚さ11.3mm / セレーション36本。外側にある4個のノッチの張り出しているほうを上向きにして、ステアリングコラムのスリットにはめ込んでありました。

ベローズ。オートバイによくあるこの手のパーツは、みな古くなると激しく劣化しボロボロのお化けチョウチンになるイメージなのですが、モールトンのゴム製品は天下一品。半世紀たってもしっかりとゴムであり続けています。

私のスタンダードは6山タイプ。

MOULTON STANDARD '65 Bellows



2013/05/26

チェーンホイールガード

少なくとも私は、F型モールトンをかたちづくるうえで絶対に無視することのできない重要なパーツだと思っています。繊細でシャープなイメージの白いリングは憧れでもあり、MIYATAの一般車(ママちゃり)にスギノの中古のクランクを取り付け、リング状のチェーンガードを白く塗って「気分はモールトン」と、小学生のように悦に入ってました。

実物をまのあたりにすると、その差は歴然。F型モールトンのものはデザインに無駄がなく、素材、幅、厚さ、シェイプ、その全てがパーフェクトと思えます。取り付けにも無粋なネジなどは使用せず裏面のフックをかみ合わせるだけで、しっかりと固定されます。

実は、納車時にかなり変形していたため、取り外して修正できるものなのか一抹の不安を感じていました。あまりに古い樹脂製品ゆえ慎重に扱っても割れてしまうのではないかと。しかし、もうすぐ50歳を迎えようとしている今でも柔軟性と強度が残っていて、この状態であれば着脱で壊れるなどという心配は無用です。

ハンドルグリップの時にもおどろきましたが、コノ頃の樹脂製品には樹脂であることの必然性があふれる反面、コストや生産性の概念は希薄なように思えます。

私のモールトンスタンダード'65から取り外してみますと。グネグネと変形しています。

チェーンホイールにも若干変形はあるものの、こんなにひずんではおらず、そこについているガードだけがなぜ極端に曲がっているのでしょう。パンツの裾や靴ひもが巻き込んで引き剥がしたとか、炎天下の熱で変形したとかでしょうか。
曲がった部分をヘアドライヤーで暖めて、じんわり修正しながら冷やすことを何度か繰り返し、なんとか丸く見えるようになりました。

MOULTON STANDARD '65
Chainwheel Guard
 外 径: 226mm
 内 径: 117mm
 フックの幅: 40mm
 外周部厚さ: 1.5mm
 リング部最大厚: 5.7mm
 重 量: 40g






2013/05/25

ピボットシャフト、構造

MOULTON STANDARD '65 Pivot Shaft
コメント欄にてご指摘いただいたシャフトにかかるせん断力を回避するために、加重をかけてみました。そのための方法も同氏からお教えいただいた海外のWEBサイト、Bicycle hubを参考にしました。その結果スウィングアームの穴は前方に移動して、いい感じにフローティングしました。maisponさん、重要な情報をどうもありがとうございました。

Bicycle hub http://www.bicyclehub.co.uk/index.php

教わったとおり、ナットをセットしてプラスチックハンマーで叩きます。

カキーン、カキーン

この音は何かに似てます。そう、ヘッドパーツの下玉押しがクラウンに収まった時のような、つきあたりにぶつかって行き場の無い感じです。
上述のウェブサイトBicycle hubを閲覧していて、ひとつの誤解に気付きました。それはピボットシャフト部分の構造です。

これまで、カンニングペーパーを見てスペーサーだと思い込んでいた部品は、ピボットチューブと呼ばれるパーツで、ピボット部の幅約67mmにわたって貫通するもののようです。この構造でひどく固着しているとすると、シャフトをカットしてスウィングアームを外してから、使用不可になったシャフトをピボットチューブごと叩き出すしか、分解する方法は無いでしょう。

私の感覚はだんだんと、ピボットシャフトの分解はあきらめる方向に傾いてきました。ダメもとで注油~叩きは何日か続けてみます。



ピボットシャフト、固着


BSW 1/4サイズのナットは強烈に錆びていたものの、ko-kenのソケットが効いてなんとか外せました。しかし問題はピボットシャフト。これを引き抜くことができなければリアスイングアームを取り外してのメンテナンスを施すことができません。今は、ナットだけ外して、でって言う哀しい状況なのです。

CRC 5-56を注す、ハンマーで叩く、ナットを取り付けて締めてみる、ダブルナットにして緩める方向に回しててみるなど試すものの、ウンともスントも微動だにしない、パーフェクトなスタットボルト。何か間違えていると思える固さです。

シャフトを破損すると修復の難易度がぐんと高くなるので、クランクのコッターピン同様ねじ山をつぶさないように養生しながら叩いたり、ボルトをねじ切らないようにオーバートルクに慎重になったりしますので、思いっきり行きたいけど行けないジレンマとの戦いです。

改めてカンニングペーパーを見ると、フレーム内の構造は、「ブッシュ + スペーサー + ブッシュ」です。

もし、スペーサー部分が固着しているとなると表面積が大きいので、剥がすことは不可能かもしれません。固着部をバーナーで加熱する荒療治もあるようですが、奥まった部分にシャフト経由で熱を伝えるのは非効率ですし、なにより樹脂製のブッシュが融けるとやっかいなので加熱による処置は却下します。また、スペーサーが固着しているとしてもダブルナットで回せばシャフトは回転するはずですので、それができないこの個体はブッシュにも噛み付いていることは明白です。
 
バイシクルクラブの「モールトンのレストア、その1」には、スペーサの存在に触れていなかったので、もしかするとスペーサーは無いかもしれません。ブッシュだけへの固着であれば表面積が少ないので、油が浸透すれば衝撃を加えることで剥がれる可能性があります。一筋の望みをかけ、しばらくは注油~叩きを日課にしてみます。



2013/05/24

レストア&カスタム日記 連載開始

なんと!えい出版社の自転車雑誌、バイシクルクラブ(2013/7月号)に、あまりにタイムリーな連載が開始されました。

直して乗ればもっと楽しい!
レストア & カスタム日記 vol.1
F型モールトンのレストア [その1]

映画監督の樋口氏が所有するF型モールトン67年式をレストアするという内容で、この記事の存在を教えてくれたのは自転車仲間のkaiさんでした。どうもありがとうございます。本日、無事購入することができました。

これといった資料を持っていない私にとって、この記事はバイブルになるかもしれません。連載が終了するまで買い続けざるをえなくなりました。えい出版社の編集ご担当者様、どうぞよろしくお願い致します。カラーページに昇格するとうれしいなあ!

今回はモノクロ2ページで、フロントサス、リアサス、BB&ハブのバラし3部構成。ちょうどフロントサスを分解したばかりだったので一字一句チェックさせていただきました。記事に登場するモールトンの写真を見る限り、フレームもリアスウィングアームもシリーズ1。どのあたりから年式を判断したのかも知りたいところです。

これから難航が予想されるリアサスペンションの分解も載っていましたが、残念ながら知りたかった部分は「シャフトを抜く」の一言で終わっていました。私のシャフトは抜けないんです。 固着していたらそうとうに苦労するはずなのですが、コンディションが良かったのでしょう。

レストアにおいては、車体の状態ひとつで難易度に大きな差が発生し、メンテナンス方法、トラブル対処方法が一筋縄でゆかないことを痛感しました。



2013/05/22

フロントサスペンションのロックピン

フロントサスペンションを分解し、なんとなくその構造を理解することができました。 F型モールトンのフロントサスペンションはステアリングコラムが2重になったテレスコピック方式。スライド式のセレーションを備えてステアリングが切れるようになっています。非常に重要な部分に樹脂のパーツが使われていてちょっとびっくりしました。

私が持っている唯一の資料、別冊ベストカーのモールトン本に載っているF型の分解図では、いくら眺めてもサスペンションの動きを理解することができなかったのですが、図面には描かれていない外側コラムの内部にフィックスされているプッシュロッドの存在が肝でした。ロッドの先端にネジ止めするパーツが、メインのサスペンションと引き上げ動作の時に働く小さなサスペンションの両方にロードをかけることができるしくみになっていました。

さらに、図面を良く見るとフロントブレーキのアクスル部に、サスペンションをロックするためと思われるチューブ状のパーツが描かれてます。このパーツがあればサスペンションが飛び出すことを気にせず、フロントブレーキのキャリパーを着脱できると思えますが、私のモールトンスタンダード'65には見当たりませんでした。
先人がメンテした時に無くしたか、そもそもそのパーツが無いバージョンが存在するのか?真実の程はわかりませんが、改めてブレーキキャリパーの軸を通してみると、チューブ状のパーツが入るような隙間があるとは思えません。

ここに入れるとなると、せいぜい厚さ0.3mm程度のチューブが限界?なので強度的に継続使用に耐えられず、変形するとブレーキキャリパーが取れなくなってしまうことが想像されるので、今のところ、このパーツが存在しないバージョンがあると解釈しています。



2013/05/21

ブレーキキャリパーの取り外し

錆び、固着、癒着にてこずり分解が難航しています。少しずつでも作業しないと思考が停止してしまいそうなので、とりあえずブレーキキャリパーを取り外してみました。

フロントのナットはBSW1/4でフィットし問題なく緩めたのですが、リアはBSWもUSインチもミリも全く合いません。しかたなくまたモンキーのお世話になりますが、錆びでネジ山が噛み込むのでとても気を使いました。

フロントは全体的に錆びが多くワイヤーのアジャスターあたりは癒着を起こしています。

リアは一見状態が良さそうに見えましたが、アクスルシャフトのマイナスもナメているし、ナットの肩がかなり丸まっています。これではソケットがかからなくて当然でした。また、スペーサーの代わりに大きめのナットが入ってましたので、修理か何かの折にかなりアバウトな処置が施されたのでしょう。ブレーキパッドも左側が極端に偏減りしています。

そして、私もミスをやらかしました。
フロントブレーキのアクスルを抜く時のことですが、妙に硬いなあとと思いつつ、まあ、何かが固着気味なんだろうと安直かつ強引に引き抜いたところ、クラウンの付け根からビョンと勢いよく見慣れぬパーツが飛び出してました。

どうやら、ブレーキのアクスルシャフトはフロントサスペンションの固定を兼ねていたようです。

完全に分解してみないことには手順がどう違うのか解りませんが、F型モールトンにおいては安易にフロントブレーキを取り外してはいけないことがわかりました。



2013/05/19

ペダルの取り外し

簡単なことが難しい。

現役バイクなら口笛吹きながらペダルを着脱するのですが、48年前のバイクのペダルを外すのは初めてで、手応えを感じるまで緊張しました。レンチは一般的な15mmのペダルレンチで大丈夫そうなのでそれを使いました。右を緩めたあと左にとりかかりましたが、グリースの固着が激しくかなり硬いのです。

もしかして、左ペダルも正ネジ?

そんな話は聞いたこと無いので。逆ネジを信じ、全長232mmのペダルレンチに渾身の力をこめて外しました。普通に逆ネジでした。もうすこしトルクをかけやすい立派なペダルレンチがあると良かった。

ペダルが外れてホットした後、嬉しいコトがありました。

気分が良かったのでリアキャリアを支える上側のステーも外してみたのですが、なんとここには、使われていないと思っていたBSW 1/8がフィット。先日そろえたブリティッシュインチのソケットレンチを、めでたく全て(3サイズ)使うことができました。

しかし、キャリア側のナットは狭くてソケットをセットすることができません。本来であればコンビネーションを使いたいところですが、Snap-onしか選択肢がないのであきらめてモンキーを使用。

今のところ BSW 1/8 のソケットが使えるのは1ヶ所だけ。


2013/05/18

ステム

A handle stem of Moulton Standard '65
私のF型モールトンスタンダードにがっちりと付いていたステムが外れました。固着はそれほどひどくなく、CRC-556の浸透一回の後、固定ボルトの叩き込みで剥がれました。

ピカール磨きにより使用感あふれる程よいヤレ具合に仕上がりました。私はメッキを貫通した錆びがブツブツが残っているのも雰囲気があって良いと感じてしまいます。

デッドストック物と、時代を生き抜いてきた物の違いです。
MOULTON Standard 1965
Handle Stem

Hight 194mm(without bolt)
Stem Length (67mm / CC)
Steering Column Cramp 22.2mm
Angle 17
Weight 473g
(include head lamp bracket / 40g)
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使用した工具
  • ステムの着脱: アジャスタブルレンチ BAHCO 8070
  • ステムの着脱: プラスチックハンマー VESSEL 70 x 1/2
  • ハンドルバークランプ: ソケットレンチ Ko-Ken  BSW 1/4

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2013/05/15

アジャスタブルレンチ

BAHCO Adjustable Wrench 8070

モンキースパナを使うことはなるべく控えてます。

ボルトをくわえて慎重にアジャストしても、ナメてしまう不安がよぎり、トルクをかける時に、ほとんどマイナスドライバーと同じくらい気を使いますから。

でも、コンビネーションやソケットが合わないとか足りない場合はしかたがありません。お世話になります。
F型モールトンのメンテを始めるやいなや普通のレンチが使えない場面に遭遇しました。それは固着の温床、ステムの固定ボルトです。
ボルトの2面幅を実測すると
 11.35mm
 11.4mm
 11.4mm

12mmではブカブカ
USインチの7/16は全くはまらず
BSWの3/16もぎりぎり入りません

いったいこのサイズはなんなのでしょうか? USインチの29/64があればいいのですが、分母が64のレンチはこれまでお目にかかった事がありません。
ブカブカの12mmよりはモンキーの方がましということで、バーコのアジャスタブルをあてがいます。

ボルトは回りましたが、ステアリングチューブ内でウスが固着しているようです。ステムはピクリともしません。

さてどうしましょう、、、

2013/05/14

ハンドルグリップ

ハンドルグリップやバーテープの交換は、自転車のメンテナンスの中でもかなりアナログな部類で、再度使用する場合は取り外しに気をつかいます。バーテープなら切れないように、ハンドルグリップなら破損しないように注意をはらわねばなりません。

私のモールトン、スタンダードについているハンドルグリップは密度の高い硬質ビニールのような素材感。ハンドルに硬く接合されていて握ってひねって もピクリともしません。

もちろん再利用しますので破壊するわけにはいきません。自転車ショップならコンプレッサーで圧力をかけて、スポンと小気味よく抜く 方法もありますが、そんな都合のよい道具があるわけもなく、いつもどおりちまちまと隙間から水を挿して接合を剥がしてゆくことにしました。

そのメソッドに50年前の素材が耐えてくれるか疑問を残しつつ、割れないようにゆっくり落ち着いて作業を進めます。残されたわずかな弾力性を信じて力をこめること数十分、無事取り外すことができました。

新品時は清潔感あふれるアイボリーだったのでしょうが、いい感じに変色してます。前方に2~3mmの突起が4個、後方にはチェックとストライプの滑り止めグルーブがあります。オシャレで機能的なデザインだと思います。

合成ゴムのハンドルグリップといえば、加水分解や皮脂によって古くなるとベタベタになるイメージがありますが、このグリップには、そんな予兆は微塵も感じられません。製品寿命をとっくに超えていると思われるビンテージパーツがなんの問題もなく機能することに驚くとともに、今日の工業製品が失ってしまった時代柄や設計者のこだわりともいえる力強い魂を感じずにはいられません。

片側のグリップエンドにブランド名と思われる文字がかすかに残っていました。

BLUEMELS

とも読めますが、、、いかに?



BLUEMELS(?) Handle Grips for MOULTON STANDARD '65

Weight: 70g (one pair)
Length: 102.5mm
Diameter: 28mm(without projection)



2013/05/08

ブリティッシュインチのソケットレンチ

F型モールトンに使っていると仮定した、BSW(ブリティッシュインチ)のソケット、3サイズが届きました。

Ko-Ken 3405W 1/8W (8.46mm)
Ko-Ken 3405W 3/16W (11.30mm)
Ko-Ken 3405W 1/4W (13.34mm)

1/4Wは、リアスイングアームのアクスルナット、サドル、ステムのクランプなどにジャストフィット。

3/16Wは、クランクのコッターピンナット、リアキャリア後部固定ナットにジャストフィット。これらのナットはUSインチの7/16で超絶に合致する場合がありますが、レンチの種類によっては入らない場合もあります。なので、BSWの3/16Wが正解と判断します。

そして1/8W、これは見事にハズレれました。ブレーキに使われているナットが9mmでガタガタなので、BSW 1/8Wか、USインチの11/32だと予想しましたが、BSWは全然入りません。後日到着する11/32で再確認します。
※ 2013/05/12 11/32で合致しました。

この結果、F型モールトンのメンテで使用するブリティッシュインチのレンチサイズは3/16Wと1/4Wの2種類で良いことがわかりました。

現在、日本で普通に手に入るブリティッシュインチは、Snap-onのコンビネーションとKo-Kenのソケットのようですが、いずれもセット販売が多いようです。

イギリス製の古い自動車やバイクをメンテする方には良いのでしょうが、自転車用にはいささか大きすぎかつ値段の張るサイズを、抱き合わせで買わされる感じが否めません。

そんなところ、群馬県のN-KITさんで、Ko-KenのBSWソケットをバラ売りしていることを知りました(2013/05/08)。価格面はもちろん必要なものを必要なだけ買えるということは幸せなことです。リアスイングアームのアクスルナットが1/4Wでジャストフィットなので、構造次第ではあと1個追加しようと思いますが、そんな時にも頼りになるショップといえます。

N-KIT Import Tool Sales


2013/05/07

ベル

A bell of Moulton Standard '65

レンチが届くまで本格的な分解作業に入れないので、今ある工具でできる簡単なメンテをはじめました。

見慣れぬカタチのベルで、カップの中央に花柄の刻印があります。

外 径: φ55 x 29.5mm(トリガー、ブラケット含まず)
重 量: 99g

Made in Western Germany
生産国の刻印のはいったバンドにはクラックが走っているので、もうすぐ破断してしまうでしょう。

こういった場合レストアラーならどうするんでしょう。ロウ付け等で修理するのか、または痛んだバンドを交換するのか、それともベルごと交換するのでしょうか。
分解すると中は錆びだらけ。こんな小さなパーツなのに、ピカール&ブラシのクラシックスタイルでは、この状態にするにも相当な時間を費やしました。

ケミカル製品のメーカーから、錆び取り剤が市販されているようですが、メッキや塗装への影響と、さび取り後のトリートメントを考えると、かえって面倒そうに感じます。でも、楽しい側面もありますので機会をみつけて試してみます。
フレームやベルカップにカシメられているシャフト以外は分解することができます。実に気持ちがよい。
 ベルカップを打撃するためのウェイトワッシャーは板バネで押さえられていて。板バネの固定に使われている薄いナットは9mm。こんなところにもミリサイズが隠れていらっしゃいまして、ちょっとホットしました。

ベルカップの打撃部分は、普通プレス加工で飛び出させているカタチを想像しますが、この製品にはφ5mmほどの鉄球が溶接されています。面白いです。
トリガーレバーにもブランドロゴか何かのマークが刻印されてます。完全に的外れだと思いますが、ベロを出して笑っている犬に見えてしまいます。

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使用した工具
  • ブラケットの着脱: マイナスドライバー PB #4
  • リターンスプリング着脱: マイナスドライバー PB #1
  • 板バネ固定ナットの着脱: オープンレンチ 9mm

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2013/05/06

レンチの選定

予想はしていましたが、F型モールトンのナットは、ほとんどメトリックのレンチが適合しません。多少のガタを気にしなければミリサイズのレンチで回りそうなカカリとも思えますが、50年もの歳月をかけて蓄えた錆びと固着を考えると、ナメてかかるわけにはいきません。

「確かあったはず」のKTCのインチサイズのレンチを工具箱から発掘し、MOULTON STANDARD '65のナットにあてがってみたところ、欲しいところが無いという、ありがちなオチ。オープンレンチ3本で6サイズのうち、かみ合ったのは7/16と1/2の2サイズだけでした。

ソケットレンチはサイズがそろっていてケースにはMade in Japanとの記載あり。しかし、それは25年の昔、今は無き宝船というディスカウントショップで買ったノーブランド品。ナットサイズの確認には威力を発揮しましたが、とても安心して使える代物ではないのです。王者Snap-onは無理でも信頼のおけるレンチを入手せねばなりません。

現物合わせを終え、私のF型モールトンは、1/4、11/32、7/16、1/2、9mm、14mm、15mmでメンテできるとも思えますが、9mmと14mmにはかなりガタがあってしっくりきません。また、7/16が妙にキツくてオープンは入るけどソケットは入らないナットもあります。

調べているとイギリスインチまたはブリティッシュインチなる規格が存在することがわかりました。ネジの軸サイズから決まるイギリス独自の規格で、普通のインチ=アメリカインチと呼称が似ているもののサイズは全く異なります。

下記のミリ換算した数値と状況からすると、あくまで予想ではありますが、それらが使われている可能性が高いと思うようになりました。

9mm = かなりゆるい、8mm = 入らない
 USインチ 11/32(8.731mm)
 BSW 1/8W(8.64mm)

12mm = ゆるい、7/16(11.113mm) = キツイまたは入らない
 USインチ 該当無し
 BSW 3/16W(11.30mm)

14mm = ゆるい、13mm = 入らない
 USインチ 該当無し
 BSW 1/4W(13.34mm)

まずは、イギリスインチのソケットを導入して、1/4、11/32、7/16、1/2、1/8W、3/16W、1/4W、15mmの体制を整えようと思います。

F型モールトンのメンテナンスに使うレンチを選ぶために、US/BSインチ→ミリ換算表と、工具メーカーのラインナップ、モールトンに使われているナットのサイズを一覧にしてみました。

 Wrench Size Chart



2013/05/05

マイナスドライバー

モールトン、F型フレームのメンテナンス用に、スイスグリップのマイナスドライバーを#1~#6まで揃えることにしましたが、手元にある#3は打撃貫通タイプの黒いグリップ。残りを赤いノーマルタイプにすると

赤、赤、黒、赤、赤、赤

となって1本だけ浮いてしまう感じが微妙に気になります。

PBの打撃貫通マイナスドライバーは#3~#5のラインナップだから、その違和感が払拭できるならいっそ打撃貫通のあるサイズはそれでいこう。グリップの打撃面の金属の質感が気持ちいいし、何に利用するか思い浮かばないけれど、緊急時にヘッドパーツやBBのロックリングをコツコツ叩く時、ソリッドな打撃に感動するかもしれないし。

しかし、「赤、赤、黒、黒、黒、赤って揃ってるって言えるの?」という声が聞こえてきます。

打撃貫通タイプはグリップの根元が6角形状になっていて、#3には8mmの、#4、#5には10mmのレンチ(メガネもOK)をかけることができます。片手でグリップにしっかりと圧力をかけながらもう片方の手でレンチを回してトルクフルなドライブが可能。以外とこの機能が役立つかもしれません。

以下、私のそろえたマイナスドライバー、PBスイスグリップの内容。
  • PB 8100 #1: 0.5 x 3.5 x 90mm
  • PB 8100 #2: 0.6 x 4.0 x 100mm
  • PB 8102D #3(打撃貫通): 0.8 x 5.5 x 80mm
  • PB 8102D #4(打撃貫通): 1.0 x 6.5 x 100mm
  • PB 8102D #5(打撃貫通): 1.2 x 8.0 x 150mm
  • PB 8100 #6: 1.6 x 10 x 180mm


2013/05/04

MOULTON STANDARD 1965 納車時の姿


急な動作をすれば一気に崩壊しそうに繊細な自転車のペダルを、ゆっくりと壊さないように踏みだす。どこからどう見て存在が押し殺されたポンコツは、試乗しても誰にも見向きもされず。それでも私は、年月に刻まれた多くの錆びと古傷に美しさを感じます。

MOULTON STANDARD 1965

この自転車が生まれて主人に仕え、ある日は青空のもとを颯爽と走り、ある日は雨に打たれて泥だらけになり、壊れたら修理され。主人の事情で乗られなくなって、暗く雨漏りする納屋でいつかまた日を浴びることを夢み続ける月日が流れ。扉が開いて明かりが差しこむ待ち焦がれた瞬間、そこに主人の姿はなく見知らぬ顔。新たな主人の新しい価値観とともに別のレールで走り始める。50年の間には何回かそんな話が繰り返されたとしても不思議はありません。
 
ゆずり受けた時の姿を記録します。私にとってこの瞬間のこの姿が、この自転車の本来のカタチに最も近いと思うから、そして、私が手を加えれば加えるほどそこから離れるとも。資料から抜け出してきたかのような精緻なレストアを施して若々しくお化粧をしたり、サイボーグのように最新コンポで武装してビンテージらしからぬ戦闘力を身につけるのは楽しく魅力的、それは運命でありひとつの答え。しかしこの老体を見ていると、深く刻み込まれた痛みの記憶をできるだけ否定せず、できれば時を重ねるようにメンテナンスしたいと思いました。

もし、私の手を離れて誰かのもとにたどりついたとき、傷や錆びを含めた姿に本来のカタチと過ぎ去った日々を感じてもらえるように。


MOULTON STANDARD '65

MOULTON STANDARD '65






MOULTON STANDARD '65










MOULTON STANDARD '65














MOULTON STANDARD '65

MOULTON STANDARD '65



NIKON D70s / SIGMA 17-35D 1:2.8-4 EX DG HSM