2014/08/30

フロントホイールの組み立て

STURMEY ARCHER DYNOHUB
スポークの準備が整ったのでフロントホイールに手をつけることにした。が、恥ずかしながら、65 Standardのホイールはハブはおろか、ハブダイナモや内装変速機まで完全にバラバラに分解し放置していたため、少しやっかいだ。あやふやな記憶をたどりながらハブダイナモのパズルを解く。

スポークはJIS組み。オリジナルはクロス部分で接触しない2クロスだったけれど、リムの精度が低いから少しでも狂いにくなるよう接触させた。最後にダイナモが発電していることを確認して作業を終了。

しかし、50年前のハブダイナモがしっかり発電することには驚きだ。というのも、家内に用立てたMade in JAPANのママちゃりのハブダイナモは、先日2年をたたずして壊れた。発電していない。きっと中身は美しさのかけらも無く幻滅するだろうから分解する気にもならない。無駄なハブダイナモを付けたままダイナモブロックでもくっつけて修理完了にしたいところだ。



MOULTON '65 Standard with STURMEY ARCHER Dynohub

2014/08/13

カノンの扉を開いた、手始めにスポークを工面する



どこまでどうなっていたのか記憶があやふやになってしまった。

思考停止から再起動のあと、ある一人のレストアラーに出会った。信じられないほどのアナロギストでライフスタイルもいたってシンプル。レストアや古いオーディオといった趣味をお持ちでなければ、電気すら要らないんじゃないかと思うほどだ。その方と一日、たった一日じっくりと話しただけで、私のこれまでの考え方や価値観を覆すような影響を受けた。そして、レストアの方向性も変化した。

これまで、オリジナルにこだわるレストアを目指していたけれど、現行パーツを程よくミックスして実用性のある自転車に仕上げることを重視することにした。

しかし、完全にバラバラな '65 STANDARDはどこから手をつけたものか?こうゆう時は、至極簡単な部分を片付けて、問題をはっきりと露呈させる方法をとろう。そして、簡単な部分とは…ホイールか。そうだ、ホイールから始めよう。

リムは走れないほどの損傷が無いため交換するつもりはない。リムの継ぎ目が派手に膨らんでいてブレーキの効きがギクシャクすることは試走時に確認済みだが、スピードを出す乗り物ではないので、解かって運用する分には問題ないと判断している。問題はホイールを分解する時に固着にて失ったスポークの調達だ。

今回工面した三つの長さのスポーク
私のSTANDARDには三つの長さのスポークが使用されている。フロントが2種類、リアが1種類だ。リアのスポークは、スターメーアーチャーの内装変速機からリークしたオイルが程よくのり、ニップルの固着を免れたようで、見事全てを破損することなく緩めることができた。しかしフロントはダメだった。かなりの数を失った。


上から、フロント左サイド161mm x 14本、リア152mm x 28本、フロント右サイド144mm x 14本。


リアの152mmは28本すべてを回収。うち1本はリプレースされているようでメッキがピカピカだ。


フロント左は6本回収、8本折損。フロント右は8本回収、5本折損、1本は手に入れた時既に無かった。幸い左側の折損スポークは144mm以上あるので右側の足りない6本に充当することができる。問題は左サイドの不足分8本だ。


私が用立てたのは、廃棄するホイールについていたスチールスポーク。程よくメッキがグレーに変色した物をみつけた。


ホイールを再組み立てするにあたり、ニップルをどうするか悩んだ。オリジナルのテイストはすばらしいが、ホイール組にニップルの渋さやナメはいただけない。ネジピッチはスポーク径はHOSHIの14番と互換性があるので、ニップルは全てHOSHIに取り替えることにする。もちろん使えるオリジナルニップルを破棄したりはしない。使うことはなくても保管しておく。筋金入りの貧乏根性は私の自慢でもある。

回収できたスポークにHOSHIのニップルをセットしてみたが、かなり渋くてスムーズに噛み合っていかない。ネジ山の汚れやサビが原因だ。回収できたスポーク全てのネジ山をさらった。

ネジ山のさらい作業にはHOZAN のスポークネジ切り器C-700を使用した。




スポークを適正な長さにカットした後はC-700でネジを切る。スポークのネジ切りは初めての経験だったので少し戸惑った。取り扱い説明書では一発でネジが切れそうな感じの表現になっているが、実際にはうまく噛み込んでゆかず、ダイスを調整しながら段階的に切る必要があった。私がへたくそなだけかもしれないが、そうだった。

スポークの作成は、変質者以外にはおススメできない。1本2本なら面白いのだが、数があるとバツゲームである。時給が気になるヒトもやめといた方が良い。私は楽しかったが…


折れたときのスペアも作成して作業を終えた。



2014/07/26

カーバイドランプの分解清掃、レストア作業のリハビリ


しばらくF型に触れていなかったため、レストアのフィーリングが無くなってしまいました。その感覚を取り戻すために、まず手始めに単純なパーツの分解清掃を行いました。そのパーツはモールトンのパーツではなくイギリス製の自転車用カーバイドランプです。

二月ほど前、とある筋金入りのアナロギリストのレストアラー、Pさんに出会い、半世紀も生きてきた私の物事の見方を変えるほどのインパクトを受けました。Pさんの秘密基地的ガレージにて、アウトドアストーブで沸かしたお湯でアールグレーティーをいただきながら、オールドバイクの話題に花が咲いたのはもちろんですが、レストア中の灯油ランプやら、ビンテージオーディオの話などをしているうちに、今度、皆でカーバイドランプを灯してナイトサイクリングを愉しもうとの企画がもちあがったのです。その場にはPさんと私のほか、私をPさんに紹介してくれたkaiさんがいたのですが、カーバイドランプなんて代物を所有しているのは当然Pさんだけ。面白そうだけれども、kaiさんと私は、まずは自転車用のカーバイドランプを手に入れなければならないという、高めのハードルを敷かれたのです。もちろん強要されたわけではなく自ら望んで飛び込んだのですけれど。

Pさんのガレージから帰宅した晩、早々に物色を始めましたが、残念ながらヤフオクにはそれらしきアイテムは出品されていませんでした。普通のカーバイドランプはあるのですが、自転車用は少ないようです。それでもセカイモンにはたくさん出品されているようなので、システム料金をたんまり搾取されてしまうことを我慢すれば、いざとなったら道が残されていることを保険に、しばらく静観することにしました。その後ヤフオクに2個セットの出物があったのですが、終了間際、あれよあれよという間に価格が跳ね上がり、いろいろな選択肢のあるセカイモンより高額になってしまって、戦意喪失。指をくわえて見送りました。その一件から「縁があればその時に」と、探すことを中断しました。

昭和、プレスグラスの三つ足タンブラー

すっかりカーバイドランプ熱も冷めていた昨日、たまたま立ち寄ったアンティークショップで、翌日開催される骨董市の話を聞きつけると、メラメラとくすぶっていた炎が再燃、急遽足を運びぶことにしました。もちろん自転車用のカーバイドランプが本命ではあるのですが、ほぼ出品の確率は無いだろうと予想していたものですから、主に小皿やオールドグラスに注力していました。ところが、ある露店で目が釘付けに。あ、あるじゃないですか、それが出品されていたのです。速攻コンディションを確認し、自分のオーダーを満たしていたので店主と交渉して譲ってもらいました。これを縁といわずしてなんと云うでしょう。自転車用カーバイドランプにもいろいろなタイプがありますが、私は懐中電灯とせめぎあったであろう、末期の割と新し目のデザインのものを探していましたので、その点でもフィット。とてもラッキーでした。

LUCALS CALCIA CADET No.133


LUCAS CALCIA CADET No.133
MADE BY LUCAS LTD BIRMINGHAM ENGLAND

外観 1
外観 2
外観 3
外観 4
カーバイトタンクに残っていた粉は使用済みカーバイトのようで、水をたらしてもガスを発する気配がなかった。そのため点灯テストはできなかったため、本日のメンテは分解清掃にて終了しました。


ウォータータンクの後部に自転車取り付け用ウィッシュボーンがある


フード上部のベンチレーターにRUCAS CALCIA CADET No133の刻印がある


呼び名がわからないが、ジェット(?)には6個の穴がある
テーパーのかかった接続ネジ部はガス管に食い込む形状になっている
炎を見ないと判断できないが詰まりはなさそうだ



ダブルウィッシュボーンサスペンションにはブラケット締め込み用のネジがある
サスペンションのスプリングは下側のウィッシュボーンに組み込まれている
サスペンションの動作は少し渋い気がする


レンズフードの両側にはグリーンのカットグラスがはめ込まれている
背面にある金属製メッキリフレクターはサビてかなり曇っている
この写真には無いが、下部にジェットクリーニング用のニードルが装備されている


ウォータータンク上部
銀色のリングで給水口を開閉できる
パッキンが無いにもかかわらず倒しても一切水漏れすることはなかった、びっくり
黒いつまみは水のバルブ。右で閉じ、左に緩めると水がカーバイトタンクに滴る
水漏れは無し


スプリング付きの落し蓋がカーバイドが振動で動くことを抑える
中央の穴に三角錐が突き刺さる構造
バルブを開くと三角錐の穴から水が出てきて、三角錐を伝ってカーバイドに達する


カーバイドタンク
ガス漏れのチェックはできていない
カーバイドは上のライン以上入れてはいけない
イギリス バーミンガム ルーカス社製 

サイドの刻印
DO NOT FILL CARBIDE ABOVE THIS GROOVE
MADE BY  LUCAS LTD BIRMINGHAM ENGLAND

底面の刻印
THIS LAMP IS FULL PROTECTED BY LETTERS PATENT

骨董市で見つけたカーバイドランプ



2014/06/14

囚われていた心

Standard in Canon's mind
ゆったりくつろげるように選んだ最大サイズのバリケン#700、フラットコーテッドレトリーバーのカノンを失うとあまりに広すぎる。ガランとした空間を見るたびに涙が出た。空虚を埋めるために私はバラバラになったままのスタンダードを無造作に詰め込んだ。バタンと扉を閉めてラッチを掛け、なるべく見ないようにした。

時間の経過とともに思考をシフトすることで、ようやく前を向くことができるようになった私は、ずっと避けてきた片隅に目をやった。閉ざされたままのゲートの奥には、外を走りたそうにしているスタンダードの姿があり、留守番に待ちくたびれたカノンの残像と重なった。

さあ出ておいで、またみんなでいっしょに走ろうか。


Moulton Standard '65 & Kristiania



2014/06/08

MOULTON SUMMIT TOKYO 2014 ~ ブログを再開します


2014/6/7(sat)~8(sun)、浜松町で開催されたモールトニアの祭典に参加しました。今回はダイナベクター様がモールトンの取り扱いを開始してから30周年を記念するイベントでもありますから、私のエントリーはスペースフレームにしました。といっても、リアルに床の間仕様になっている1本しか持っていないんですけれど。


日本全国から集まったモールトンは200台、それはもうトラスの海。こんな密度感のある光景は、今後2度と拝めないかもしれませんね。圧巻でした。


しかし、F型フレームに心を奪われている私はついつい、Fの展示ばかりに目がいってしまいます。F型フレームは、きらびやかな舞台の片隅、場末感あふれるエリアに追いやられエントリーは5台。デラックス1台、スタンダード2台、サファリ1台、ストアウェイ1台。やはり美しい。このヤレが、このマスプロ感が、この傷みが!私も次回は是非このカテゴリーでエントリーしたいっ!そのためにレストアを再開します。

愛する家族といっても犬なんですけど、を失い、長い間精気を失っておりましたが、全方向に少しづつ考え方が変わり、ようやく前進することができるようになりましたのでブログを再開します。軟弱な私ではありますが、今後ともどうぞよろしくお願い致します。